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圧力波式スートブロワで変わる、ごみ焼却炉の除灰と発電効率

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2025/9/4

都市ごみ焼却プラントの廃熱ボイラーでは、従来の蒸気式スートブロワに代わり、発電効率の維持や設備保全の観点から圧力波式スートブロワの採用が始まっています。そこで今回は『三菱重工パワーインダストリー技報 Vol.6(2021年)』に掲載の「圧力波式スートブロワの効果」より、一部抜粋し、その特徴と実機試験結果の概要についてご紹介します。

より詳しい技術解説をご覧になりたい方は、技報をダウンロードの上、ご確認ください。
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蒸気式スートブロワの課題と代替技術の必要性

都市ごみ焼却プラントの廃熱ボイラーには、従来、蒸気式スートブロワが使用されてきましたが、発電効率の低下や機器寿命への影響といった課題がありました。
これらの課題を背景に、蒸気を使用せずに除灰を行う新たな方式である、圧力波式スートブロワの導入が始まっています。

圧力波式スートブロワの構造と作動原理

圧力波式スートブロワは、燃料ガスの燃焼によって発生する「圧力波」を用いて、伝熱管に付着した灰を除去する技術です。蒸気を使わないため、発電に必要な蒸気を最大限に活用できます。
このシステムは、ガスボンベユニット、減圧ユニット、バルブパネル、制御盤、装置本体から構成されます。

実機試験による除灰性能と運用効果の検証

三菱重工パワーインダストリーでは、焼却炉メーカーと共同し、国内の都市ごみ焼却施設にて圧力波式スートブロワの長期実機試験を実施。本試験では、従来方式との比較を通じて、次の項目を検証しました。

1)除灰性能
2)設置台数に対する効果の最適化
3)伝熱管減肉速度への影響

その結果、主蒸気温度や排ガス温度の推移データから、2時間スパンおよび4時間スパンのいずれの運転でも除灰効果は蒸気式と同等であることを確認しました。

高効率化とコスト削減に貢献する運用メリットと将来性

圧力波式スートブロワは、プラント運用における以下の利点があり、有効な除灰装置の一つといえます。

1)発電量低下抑制
2)伝熱管の摩耗減肉抑制や過熱器管の高温腐食抑制
3)メンテナンス費用の削減
4)定期修理期間の短縮と定検作業従事環境の改善

今後は、廃熱ボイラーにとどまらず、微粉炭焚・バイオマス焚ボイラーへの展開も視野に入れたいと考えています。


『三菱重工パワーインダストリー技報 Vol.6(2021年)』では、圧力波式スートブロワのシステム構成図、設置位置、トレンドデータ、試験条件なども掲載しています。ダウンロードの上、ぜひ全文をご覧ください。技報のダウンロードにはIDとパスワードが必要です。

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