ウェビナーの中でいただいたご質問について回答を順次掲載しております。
皆さまの疑問解決の一助となりましたら幸いでございます。
【2025年3月4日開催ウェビナー】
ボイラーにおける水素利用の課題と水素燃焼技術開発最新動向
質問一覧
商務
- 1市場展開設置で既存ボイラと比べて必要になる法規制の実際(資格、隔離距離、届け出など)
- 2市場展開外海離島自治体での水素活用の可能性について
- 3市場展開実用化は2030年以降と考えているが御社ではどのようなスケジュール感なのか?
- 4市場展開海外での導入実績を可能な範囲で教えてください。
- 5市場展開100%水素燃焼ボイラの実績や今後の市場見通しなど
- 6市場展開今後のマイルストーンを知りたい。
- 7市場展開CO₂の原料化や自動車など、ボイラー燃料以外にもあらゆる場面で水素活用ということが言われています。この水素はCO₂フリーである必要があると思いますが、日本で、あるいは世界で、グリーン水素のマスバランス予測というようなことは検討されているのでしょうか?
- 8市場展開現状では、水素のコストが高いと思われます。重油或いは都市ガス、LNGに替えて導入可能になるのはいつ頃になりますでしょうか。
- 9市場展開コスト感や効率、時間軸、水素専焼までの道筋など。
- 10市場展開実用化・普及までの道のり、安全性など
- 11市場ニーズ東南アジア地区と日本では、グレイ水素の生産はいつまで続くか?
- 12既存ボイラーへの適用(その他設備含む)既存ボイラーへの水素切替に必要な技術要素、製品等についてアドバイスいただけると幸甚です
- 13導入コスト具体的な水素への利用方法、かかるコスト、水素生産量、費用対効果、どのような場合に、投資が成立するか?
- 14導入コスト水素利用時の燃料費のコストアップ、グリーン水素の入手性
- 15導入コストガスタービンコージェネレーション設備を保有していますが、その水素混焼に向けた準備項目や設備化に必要な金額と期間を把握したいと思っています。
- 16導入コストガスや電気と比べてどうか?
- 17導入コスト導入コスト、ランニングコスト等の見通しが判れば、ご教示頂きたいです。
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1市場展開設置で既存ボイラと比べて必要になる法規制の実際(資格、隔離距離、届け出など)
現時点では、ボイラーでの水素利用に対して特殊な資格や届け出が必要ということはありませんが、高圧ガス保安法や消防法の適用範囲が広がる点に注意が必要です。
1. 安全対策: 水素は拡散性が高く、着火エネルギーが低いため、ガス漏洩時の検知・換気システムや防爆構造の設備が必要になります。また、逆火防止対策や適切なバーナー設計も求められます。
2. 隔離距離: 水素は軽量で拡散しやすいため、可燃性ガスが滞留しないように既存の燃料よりも厳格な距離基準が適用される場合があります。
3. 各種申請手続き: 既存の燃料(石炭、ガス、重油)と異なり、水素は「高圧ガス保安法」や「消防法」の適用範囲が拡大されるため、新たな申請や認可が必要になるケースが多くなります。 -
2市場展開外海離島自治体での水素活用の可能性について
現時点での水素利用における課題としては、供給網の拡充が取り上げられます。水素利用設備は従来炭化水素燃料を用いる設備と大きな違いは無く、外海離島においても、供給が安定すれば活用が進めることが可能と考えられます。離島特有の分散型エネルギーシステムの一環として、水素は重要な構成要素となり得ます。
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3市場展開実用化は2030年以降と考えているが御社ではどのようなスケジュール感なのか?
既に工場内で水素をお持ちのユーザ様においては個別に水素のボイラー利用を進められている事例もあり、従来からの水素利用技術に加えて、今回紹介した技術開発の成果を実装しつつあります。
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4市場展開海外での導入実績を可能な範囲で教えてください。
水素を含む副生ガスのボイラー利用は、海外においても古くから実行されてきました。製油プロセス、製鉄プロセスなどで発生した水素含有副生ガスのボイラー利用の実績は数多くございます。
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5市場展開100%水素燃焼ボイラの実績や今後の市場見通しなど
弊社ボイラーとしては、高濃度水素・高混焼率での運用実績は多数ありますが、100%水素のみで専焼運用の実績はありません。水素の価格・安定供給が課題となるためです。 今後の見通しは、ウェビナーでお示しした通りです。
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6市場展開今後のマイルストーンを知りたい。
ウェビナーでお示しした通りです。
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7市場展開CO₂の原料化や自動車など、ボイラー燃料以外にもあらゆる場面で水素活用ということが言われています。この水素はCO₂フリーである必要があると思いますが、日本で、あるいは世界で、グリーン水素のマスバランス予測というようなことは検討されているのでしょうか?
国内外でグリーン水素の需給量や導入量のマスバランス予測が進んでいます。日本ではNEDOや資源エネルギー庁、世界ではIEA等が将来の需給モデルを提示しています。
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8市場展開現状では、水素のコストが高いと思われます。重油或いは都市ガス、LNGに替えて導入可能になるのはいつ頃になりますでしょうか。
水素の価格は2030年、2050年に向けて段階的に低減する目標が政府により掲げられています。水素価格の低減に加えて、サプライチェーンの構築も同時に進められ、段階的に導入が進むものと考えています。一方、様々な工場で副生ガスとして発生する水素ガスは従来よりボイラーで利用されており、現在も利用が進められています。
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9市場展開コスト感や効率、時間軸、水素専焼までの道筋など。
ウエビナーにてマイルストーンを紹介させて頂きました。
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10市場展開実用化・普及までの道のり、安全性など
ウエビナーにてマイルストーンを紹介させて頂きました。
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11市場ニーズ東南アジア地区と日本では、グレイ水素の生産はいつまで続くか?
弊社ではお答えできるものではありません。
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12既存ボイラーへの適用(その他設備含む)既存ボイラーへの水素切替に必要な技術要素、製品等についてアドバイスいただけると幸甚です
お客様の計画をご連絡頂くことで、具体的な検討・提案が可能となります。ご連絡をお待ちしております。
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13導入コスト具体的な水素への利用方法、かかるコスト、水素生産量、費用対効果、どのような場合に、投資が成立するか?
今回、ボイラーでの水素燃焼利用を紹介させて頂きました。水素利用のコストや水素生産量の見通しは経済産業省・資源エネルギー庁から試算として開示されているので、ご参照下さい。
費用対効果については、取り巻く環境によるところが大きく、都度検討が必要と存じます。 -
14導入コスト水素利用時の燃料費のコストアップ、グリーン水素の入手性
燃料費については、水素の価格によります。ウェビナーにおいて資源エネルギー庁にて試算の2040年想定発電コストを示しておりますので、ご参照ください。
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15導入コストガスタービンコージェネレーション設備を保有していますが、その水素混焼に向けた準備項目や設備化に必要な金額と期間を把握したいと思っています。
水素の大規模利用においては、水素価格や安定供給性が大きな課題と捉えられています。あらかじめ、それらについての計画を明確にする必要があると考えます。
また水素混焼には燃焼設備の改修や、安全対策(漏洩検知・換気)などの計画が必要ですので、早期にFS(事前検討)実施を推奨します。 -
16導入コストガスや電気と比べてどうか?
水素はCO₂を排出しない利点がある一方、インフラ整備が必要で、現状は高コストです。
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17導入コスト導入コスト、ランニングコスト等の見通しが判れば、ご教示頂きたいです。
発電向けで考えると、導入コストはLNGなど従来炭化水素燃料を使用する場合と同等です。これは紹介した水素を高圧で取り扱う技術を適用した場合です。そうでなければ、より多くの体積流量となるため設備規模が大きくなり、導入コストは高まるものと考えられます。ランニングコストは水素燃料費が大部分を占めています。それ以外の、メンテナンス費用等は同等と考えられます。
※いただいたご質問の内、事業及び技術上の機微事項にあたるものについては、どのような質問があったかも含め、記載を差し控えておりますのでご理解賜りますようお願い申し上げます。 なお、具体的な事業構想・案件をお持ちの上でのご質問の場合には、お問い合わせフォームから個別にお問い合わせいただきますようお願い申し上げます。