プラントの安定稼働を支える遠隔監視システム(MoMonga System)
プラントの安定稼働には運転状況の把握や異常の早期発見が重要です。そのためにあるのが三菱重工パワーインダストリーオリジナルの遠隔監視システム(MoMonga System)です。専用高速回線でリアルタイムにプラントの運転状況を把握するこのシステムについてご紹介します。
プラント運転を支える遠隔監視システム(MoMonga System)
プラントの運転がスタートした後に問題なく運転を続けていけるのか、緊急時にはどう対応したらいいか、不安に思う方も多いでしょう。そんな時には三菱重工パワーインダストリーには独自の遠隔監視システム、MoMonga Systemがあります。様々な課題を遠隔でトータルに解決するために独自開発したこのシステムにより、プラントの運転などの経験が浅いもしくは経験がない担当者の方であっても安心して運転・監視業務にあたることができます。
遠隔監視システム(MoMonga System)の機能と特徴
三菱重工パワーインダストリーの遠隔監視システム(MoMonga System)には4つの機能があります。
- 遠隔監視
・稼働状況の共有および評価(当社拠点の呉みらい館とお客様の発電プラントを接続)
・起動/停止時、異常発生時等の運転支援 - 運転支援
・プラント起動および停止ガイダンス
・補器類操作ガイダンス - タブレット(MoMoTab®)
・プラント監視およびローカルデータ入力
- 建設
・稼働時間管理
・給油脂管理
・現場日常点検管理
・帳票管理
VPNルータのIPフィルタ機能により特定のコンピューター以外の通信を阻止した環境下で発電プラントと呉みらい館と接続し、プラント状態の監視,異常検知,運転支援,月報作成、運転管理を行い、さらに故障予兆の監視なども行います。
遠隔監視システム(MoMonga System)導入のメリット
プラントの安定稼働には、運転状況の把握や異常の早期発見が重要です。そのために遠隔監視システム(MoMonga System)の導入が有効です。呉みらい館および各拠点でリアルタイムにプラントの運転状況を1秒間隔で情報共有し、予兆診断や最適運転などをトータルにサポート。異常発生時にはプラントの熟練者が状況分析し、的確なアドバイスを行うことで、どんな状況・環境下であっても安心して運営することができます。
これにより、電力の安定供給に貢献します。
また、このシステムはお客様の事務所はもちろん、自宅においてもモバイルPCまたはタブレットで繋げることができます。状態監視や異常検知を行うことができるので、働き方改革にも繋がります。小さなお子様がいたり介護をしていたり体に不自由があったりして外での業務が難しい場合にも自宅にいながら働ける環境を創出することが可能です。
さらに、人員も最小限に抑えることができます。プラントの安定稼働にはランニングコストをいかに抑えるかも重要な課題になります。労働負荷を軽減し、異常の早期発見が可能となり、緊急時にも安心して対応できるのが三菱重工パワーインダストリーの遠隔監視システム(MoMonga System)なのです。
無線式I/OユニットMoMonga®の機能と特徴
MoMonga®は三菱重工パワーインダストリーが独自に開発した無線通信器です。
プラント設備の状態を無線通信でデータ送信します。 現場に無線通信ローカルインフラを構築し、現場計器とクラウド,PLCやDCS等の制御機器,スマートフォン、タブレット間をLTE・無線LAN・ローカル5G(開発中)などを用いてデータを送受信します。
工事においては、配線やIO盤の削減に貢献します。
また、新たな環境規制・不適合対応用に計測点追加のニーズがますます増加する中で、安く・速やかに対応が可能です。
MoMonga®は数台毎にグループを構成し、グループ内はフィールドバス通信にて 各MoMonga®のデータを共有し冗長性を確保します。
無線通信電波障害が発生したMoMonga®のデータをグループ内でバックアップ送信します。
遠隔監視システム(MoMonga System)導入事例
信州ウッドパワー株式会社 機械部長 会田様に遠隔監視システム(MoMonga System)についてお話を伺いました。
――遠隔監視システム(MoMonga System)をご利用されていかがですか?
会田部長:プラントが優れているので、操作をすることは基本的になくて監視のみなのですが夜間にトラブルが起こったのは2年半で1、2回でしょうか…それもプラントが原因というわけでもなかったので、直接的なトラブルで遠隔監視システムに頼ったことはありません。ただ、いつも起動時には助けられています。私たちはまだ経験が少ないので起動時のタイミングなどが難しいんです。先日も計画停止の後の起動時に見守っていただいたのですが、見ていただけているだけで安心感があります。さらに私たちの操作に対してご指摘いただけるのでその度に学びがあります。
――コミュニケーションは問題なくとれていますか?
会田部長:はい。夜間に起こったさまざまな現象について「こんなことが起こったな」等と日報に書きこんでいると朝一番にご連絡いただいて「こんな数値が出ていますね」なんて言って少しの異変も見逃さず、すぐに対応してくださるんです。小さなことでも相談するとすぐに対応方法を考えて教えてくださいます。そういう熟練の方たちとのコミュニケーションによって、現象が起きる前に自分たちに何ができるか、ということを社内でも考えられるようになりました。
――稼働をスタートしてから大変な事などありませんでしたか?
会田部長:動き始める前の研修の期間が一番大変でした(笑)でもその時期があったから、今いろいろなことが理解できますし、分からないところはもっと分かりたい知りたいと思えるようになりました。3年間たずさわってきて一番の感想は「楽しく過ごせたな」です(笑)