三菱重工パワーインダストリー POWER of Solution

interview

“頼れるおやじはもういない”が、私たちホームドクターがいる サービス事業部 テクノサービス部 保全計画グループ グループ長 山田健治インタビュー

2023/1/17

三菱重工パワーインダストリーにはさまざまな角度からお客様に関わるスペシャリスト達がいます。お客様の期待を超える働きをして満足して頂く。その強い意志を胸に日々奮闘するメンバー達へ、仕事にかける想いについてインタビューするシリーズ企画。第五回はお客様のホームドクターを担うテクノサービス部の山田グループ長。感動的なお客様とのエピソード等、貴重なお話が聞けました。

あの発電所での、あのお客様との日々があったから今の私がある

――お仕事内容を教えてください。

山田:サービス事業部において、現地でトラブル対応・検査を行う部門はサービス推進部とテクノサービス部があります。サービス推進部は発電設備に何か問題があった時の初動対応やお客様へメンテナンス提案や発電設備全体の改善提案等を行っています。そしてテクノサービス部は破壊検査(※1)(実機のチューブをサンプリングし、クリープラプチャー試験等を実施して余寿命を推定)や、あるいは非破壊検査(ボイラ各部の組織検査や肉厚測定等を実施し、余寿命を推定する等)を総合的に判断し、プラントの余寿命を診断する業務をメインとしています。
さらにお客様への検査提案活動や依頼があった検査内容等を実作業に落とし込む業務も行っています。

三菱重工パワーインダストリー株式会社 本牧工場のCSプロモーションセンターに保管の破壊検査実施のサンプル
三菱重工パワーインダストリー株式会社 本牧工場のCSプロモーションセンターに保管の破壊検査実施のサンプル

――まさに三菱重工パワーインダストリーのホームドクター部門を担っているのですね!ホームドクターとしてお客様との印象的なエピソードはありますか?

山田:入社して3年目に担当になった発電所のお客様との、とても嬉しかった出来事があります。当時の私はまだ駆け出しの技術者でしたがそのお客様は長年発電所のメンテナンス担当をされてきた方でボイラ・タービン主任技術者(※2)の資格をお持ちでした。私はその方にたくさんのことを教えていただいて、様々な出来事に一緒に取り組む中で随分と鍛えられました。その方のおかげで成長できたと言っても過言ではありません。その後そのお客様は世代交代のタイミングで別会社に移られて十数年間お会いしていませんでした。そんなある日、そのお客様のご自宅の近くに出張に行くことになりました。

――ご自宅の近くに!なぜお客様のご自宅の場所をご存知だったのですか?

山田:当時、プライベートなお話もさせていただいて自宅の最寄り駅がそこだと教えてもらっていたのです。それで、なんとなくその駅にいたら会えるのでは…と思っていたら、お会いできました(笑)

――すごい偶然ですね!(笑)

山田:本当にビックリしました(笑)そうしたらその方が当時を思い返して私と一緒に切磋琢磨した時期があったから今も発電所業務を行っていけていると仰って下さったのです。本当に驚きました。私の方こそ、あの発電所でのお客様との日々があったから今の私があると思っていましたから。しかも後日、弊社関係者に御礼のメールまで送っていただきました。とてもとても嬉しかったです。

※1…機器の一部を切断などして行う検査
※2…電気事業法に基づく発電用ボイラ、蒸気タービン、ガスタービン及び燃料電池発電所等の工事、維持、運用に係る保安の監督などを行う者。安全の確保及び、電力の安定供給を図るのが目的の資格

適正なメンテナンスを行なえばボイラは安全に安定運転し続ける

――現場ではどんなことを心がけて業務にあたっているのでしょうか?

山田:発電所をどうやったら安全に運転させられるか、ということにフォーカスして、そのベストな方法をお客様と一緒になって考えています。不具合があった時に、応急処置をしますが、そのまま一年放っておいたら手におえない状況になるかもしれない。ですがお客様の立場としてはなるべくコストをかけたくないので、応急処置でもそれで動くならそれでいい、となってしまうこともあります。しかし、それが原因で取り返しのつかないことになり大きな工事を行うことになってしまうかもしれない。そうなってしまったらお客様にとっても良くありません。ボイラはしっかりと点検しメンテナンスを行なえばずっと使い続けることができるのです。

――それはボイラには寿命はないという意味でしょうか?

山田:対象の部位により考え方は難しいところはありますが、そう言えると思います。とにかく安全に安定運転するために私たちは細心の注意を払いながら点検を重ね、最適なソリューションをお客様に提案する。その姿勢で日々の業務にあたっています。

発電所運営の省力化で日本のエネルギーを支えたい

――お客様にとってどんな存在でありたいですか?

山田:発電設備の老朽化が進んでいるのと同時に、現場人材の世代交代も進んでいます。「頼れるおやじはもういない」という言い方もしますが、今、経験豊富な人材が退職して現場が若返っているのと同時に人材不足問題も深刻化しています。そしてそれは今後も加速する一方です。以前ならあの人に聞けば分かったことがその人がいなくなってしまったからどうしたらいいか分からない。そんな状況に陥りつつあるのです。そんな時にこそ、私たちを頼って欲しいと思います。そしてただ頼られる存在というだけではなく、人材が足りなくなっている中で発電所を安全に運転し続けられる仕組み作りも我々が考えていかないといけないと思っています。例えば、最新技術の検査手法を取り入れて人をかけずに質の高い検査手法を提供するとか…様々な最新技術を取り入れて発電所運営の省力化が実現できればと思います。

――他に今後こんなことを実現していきたい等、夢があれば教えてください。

山田:電気は社会生活のインフラとして欠かせないものです。そして産業用ボイラは企業を支える製品生産の要です。ですからボイラが停止するということはゼッタイにあってはならない。日本の産業を支えるためにもお客様と一体となって発電所を守っていきたいと思います。

プロフィール

サービス事業部 テクノサービス部 保全計画グループ グループ長 山田 健治(やまだ けんじ) 呉勤務

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