三菱重工パワーインダストリー POWER of Solution

JITで実現~建設現地の高効率化およびコスト競争力アップ!

2023/7/26

プラント建設業界を取り巻く環境は決して楽観視できるものではありません。熟練工の減少、若手の人材不足、工事費の高騰に加え技術伝承が困難という課題もあります。さらに2024年の働き方改革へ向け、一刻の猶予もなく課題解決へ向けて動き出さなければいけません。私たちが実行する課題解決へ向けた取り組みは多岐に渡りますが、今回はその中でもJIT(ジャストインタイム)についてご紹介いたします。

あらゆる分野で採用されるJITとは?

JIT(ジャストインタイム)とは「必要なものを、必要なときに、必要なぶんだけ」供給することで生産性の効率化を目指すシステムです。トヨタ自動車が導入したことで知られていますが、これにより日本の製造業は短納期大量生産が可能となりました。「ムダ、ムラ、ムリ」を防ぎ効率的に生産活動ができる方法として製造関係の企業だけでなく、あらゆる分野で取り入れられています。

三菱重工パワーインダストリーではプラント建設現場においてこの方法を採用し、あらゆる「ムダ、ムラ、ムリ」を削減し、お客様と現場にとってwin-winな環境を創り出しています。

JITを実現するために


私たちがJITを実現するためにまず取り組んだのは、ボイラー製品や鉄骨、階段などの製作品、タービン、ポンプ、ファンなどの機器やメーカー製品について、従来よりもさらに細かく納期設定を行うためでした。

調達部門と生産管理部門と調整し、建設現地のスケジュールに合わせてピンポイントにジャストインタイム納入を実現しました。

 JITでは、これらの流れがスムーズに行えるように仕組みづくりを行いました。

パッケージ化&JIT納入のメリット

配管やバルク品を配送センターで集約して監理し、必要な時にモノを揃えてパッケージ化し、工程に合わせて現地へ納入することで、これまでプラント建設の課題であった現場で品物を探す無駄な手間や時間がかからなくなります。

また、必要な工程に合わせてジャストイン納入することでボイラー製作品やメーカー製品・機器など大きな建設部材を現地に保管する必要がないため、余計な保管場所を確保する必要がありません。お客様は純粋にプラント建設に必要なスペースだけを用意すればいいので無駄なコストがかかる事もありません。

これらのメリットに加えて、徹底した高効率化により、工程に合った間違いのない納期を確立することでコスト競争力アップを目指しています。現場で働く作業員の方の労働環境も安全・安心に守られた中で、お客様は安心してプラント完成のその日をお待ちいただけます。

【実例紹介】7MWバイオマスプラント

2024年3月の営業運転開始を目指し、現在、関東エリアで7MWのバイオマス発電施設を建設中です。年間約85,000tの未利用材、一般木材、剪定枝を原料とする木質チップを燃料とし約5,544万kWh(一般家庭15,000世帯の年間使用電力量に相当)の発電量を想定しています。

本プロジェクトは建設予定地の敷地が狭く、従来手法での建設工事を行うのは非常に困難な立地条件でした。

省スペースでの建設工事の遂行が必要でしたが、パッケージ化とJITの実現により順調に進捗しています。さらに、ICTの積極活用も行い3D技術の活用やWebカメラによる24時間定点監視を行う遠隔支援ツール等も活用することで、労働環境も良く「従来工法と比較して約110%の高効率」でスムーズに工事が推移しています。

プラント建設の未来のために

私たちはEPC(Engineering Procurement Construction)事業を通してカーボンニュートラルなエネルギー事業の拡大・発展に寄与し、地球環境保全と持続可能な未来に貢献することを使命としています。その中でお客様やパートナー会社、地域の皆さまとの幅広い出会いと深い絆で生涯にわたる交流と信頼を得ることが個々人の喜びであると感じています。自身のやりがいや喜びを大切にすることが、よりよいプラント建設の未来のためとなり、ひいては誰もが幸せに暮らせる社会を実現できると信じて、これからも改革を遂行して参ります。

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