三菱重工パワーインダストリー POWER of Solution

バイオマス発電

第10回【国際】バイオマス展セミナー開催レポート

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レポート
2025/3/11

世界最大級のエネルギー総合展『スマートエネルギーWEEK』が2025年2月19日(水)~21日(金)に東京ビッグサイトで開催されました。三菱重工パワーインダストリーはBIOMASS EXPO 第10回 【国際】バイオマス展(主催:RX Japan株式会社)にてバイオマスエネルギー利活用セミナーとして「バイオマス発電パッケージプラントの最新技術情報」を行いました。その模様をレポートします。

スマートエネルギーWEEK開催!

世界中からあらゆるエネルギー関連の技術や製品、専門家が集いエネルギービジネスを加速させるための重要なプラットフォームになっている『スマートエネルギーWEEK』。2022年秋の出展に引き続き、三菱重工パワーインダストリーはバイオマスエネルギー利活用セミナー「バイオマス発電パッケージプラントの最新技術情報」を開催しました。

2050年までのカーボンニュートラル社会の実現に向けて、エネルギー分野の革新は、まったなしの状況です。エネルギーの最新情報に触れようと3日間の来場者数は68,480名にも上りました。

バイオマス発電パッケージプラントの最新技術情報

2月19日(水)13時15分~13時45分の30分間、プロジェクト事業部プロジェクト推進部 基本設計課 小林拓馬による『三菱重工パワーインダストリー バイオマス発電パッケージプラントの最新技術情報』セミナーが開催されました。内容は以下の通りです。

1. 当社紹介

2. 第7次エネルギー基本計画案

3. バイオマス発電設備について

4. 2MWバイオマス発電パッケージプラント

5. 圧力波式スートブロワのご紹介

2024年12月に公示された第7次エネルギー基本計画案について、バイオマスに関する内容の概略説明の後、好評をいただいている「2MWバイオマス発電パッケージプラント」に関する動画により、パッケージプラントの特徴やどのように発電が行われるかが紹介されました。さらに、三菱重工パワーインダストリー社のバイオマスプラントで初めて採用された「圧力波式スートブロワ」について紹介がありました。蒸気式のスートブロワと比較し、コンパクトにもかかわらず1台当たりの灰の除去範囲が広いことから設置台数が少なくすることが可能、等の利点の解説がありました。セミナー終了後には、そのメンテナンス方法等について質問が上がりました。

セミナーを終えて

――今回のセミナーのポイントはどういったところだったのでしょうか?

 小林:以前のバイオマス展でも「2MWバイオマス発電パッケージプラント」の紹介をしました。今回のセミナーでは、弊社でバイオマスプラントに初めて採用した「圧力波式スートブロワ」に関する紹介をポイントにご説明しました。

 ――小林さんは基本設計課のプラント計画チーム所属ですが、「圧力波式スートブロワ」にも関わられたのでしょうか?

 小林:圧力波式スートブロワを採用したバイオマス発電プラントの性能試験を担当致しました。初めて採用した「圧力波式スートブロワ」の機能や特徴を基に、今後のバイオマスプラントでも提案できるよう、検討していく予定です。

 ――バイオマスプラントに「圧力波式スートブロワ」を採用するというのは珍しいことなのでしょうか?

 小林:そうですね。一般にはゴミ焼却プラントに採用されているケースはあるのですが、バイオマスプラントでは弊社初になります。

今回、圧力波式スートブロワを採用した新設プラントは敷地が狭隘で、蒸気式のスートブロワでは配置的に成り立たないということが分かり、コンパクトな圧力波式を採用することになりました。これにより、ご予定の敷地にプラント建設工事等も問題なくプラント全体をアレンジすることができました。

――他に圧力波式スートブロワの特徴を教えてください。

小林:スートブロワは伝熱管に堆積した灰を除去(クリーニング)する装置となります。蒸気式は蒸気を吹き付けることにより、クリーニングを実施します。蒸気を吹き付ける際にボイラー排ガス中の灰を巻き込みながら伝熱管にあたるため、“エロージョン”といって、伝熱管の表面が摩耗しやすいのですが、圧力波式は圧力波の衝撃により伝熱管を振動させてクリーニングするので“エロージョン”の発生が抑制できます。また、蒸気式の場合、運転前に吹き付ける蒸気が冷えて“ドレン”(凝縮水)が発生してしまう可能性があり、これが伝熱管に衝突してしまう“ドレンアタック”という現象が起こることが懸念され、これによって伝熱管を傷つけてしまう可能性がありますが、圧力波式ではこの心配がありません。

――ありがとうございます。最後に本日の感想をお願いいたします。

小林:たくさんの方にセミナーにご参加いただけて、質問もいただいて、皆さんに興味を持っていただけのだと感じて嬉しく思いました。これからも良いものを皆様にご紹介できるように研鑽をつんで参りたいと思います。

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