
燃料別ボイラーの形式および産業用ボイラーの応用例【産業用ボイラー概論-その2】
ボイラーについて解説する“産業用ボイラー概論”シリーズ。第2回は燃料別の分類および産業用ボイラーの応用例について解説します。
燃料別にみていくと、「液体燃料ボイラー」「気体燃料ボイラー」「固体燃料ボイラー」「その他燃料(黒液)」の4つのボイラー形式に分かれます。
一般的な燃料の液体、気体、固体の三種類の特徴は次のとおりです。
液体燃料を燃焼させる方式は、燃料を霧状にして燃焼室に噴霧して燃焼させるタイプです。
特徴
・発熱量が高く、品質が安定。
・貯蔵、運搬が容易
気体燃料(都市ガス、プロパンガスなど)を燃焼させる方式は、予混合燃焼、拡散燃焼のタイプです。
特徴
・高効率
・クリーン:燃焼ガスがクリーンで、環境負荷が少ない。
固体燃料を燃焼させる方式は、微粉炭燃焼、火格子燃焼(ストーカ)、流動層燃焼のタイプです。
特徴
・埋蔵量が多く安価。
・貯蔵、運搬が容易なのに加え、野積が可。
ここでは、家庭、店舗、小規模事業所などで使われるボイラーではなく、産業用・事業用として使われるボイラーについて分類します。
なお、産業用として使われるのは小型・中型ボイラーになります。
●蒸発量
・小型ボイラー:3~250t/h未満
・中型ボイラー:250t/h以上~400t/h未満
・大型ボイラー:400t/h以上
産業用に使われるのは小型・中型ボイラーです。
●蒸気圧力
・小型ボイラー:7~130kg/cm2G未満
・中型ボイラー:130kg/cm2G以上~140kg/cm2G未満
・大型ボイラー:140kg/cm2G以上
なお蒸気圧力は、蒸気の温度と密接な関係があり、圧力が高いほど高温の蒸気を得ることができます。
●蒸気温度
・小型ボイラー:飽和~480℃未満
・中型ボイラー:480℃以上~540℃未満
・大型ボイラー:540℃以上
一般的に大型ボイラーほど高温の蒸気を生成できます。
ボイラーとは「化石燃料を燃焼し、その発生熱 により大気 圧以上の圧力で水を蒸発させて蒸気を発生させ他に供給する装置」です。しかし、ボイラーの応用分野は広く、化石燃料のみでなく他の発生源からの高温ガスや電気を熱源とすることができます。
また、ボイラーの使用目的が蒸気の発生は従で、プラントとしての生産過程の一工程と見るべきものや、省エネルギーおよび環境対策が主体となるものなど多様となります。また、それらに適用するボイラーの形式の選定も選択肢が多く列挙しつくせませんが、以下 は、主目的で分類し、よく知られている応用ボイラー名を列挙しました。
応用目的
小規模熱源用ボイラー
例示ボイラー
電気ボイラー、熱媒ボイラー
適用ボイラー形式
容器、炉筒煙管ボイラー
応用目的
プラントのエ程に組み込まれているボイラー
例示ボイラー
紙プラント:回収ボイラー、バークボイラー
石油化学プラント: COボイラー
鉱物プラント:銅精錬自溶炉廃熱ボイラー
硫黄プラント:鉱石焙焼炉用廃熱ボイラー
砂糖プラント:バガスボイラー
鉄鋼プラント:高炉ボイラー、副生ガス燃焼ボイラー
セメントプラント:キルン排熱ボイラー
プラント全般:独立過熱器
適用ボイラー形式
水管ボイラー
応用目的
環境対策が主なボイラー
例示ボイラー
ごみ、RDF焼却ボイラー、汚泥焼却ボイラー、バイオマスボイラー
適用ボイラー形式
水管ボイラー
応用目的
コジェネレーションプラント用ボイラー
例示ボイラー
ガスタービン排熱ボイラー、エンジン排熱ボイラー
適用ボイラー形式
水管ボイラー
応用目的
燃料の多様化に対応するボイラー
例示ボイラー
バブリング流動層燃焼ボイラー、循環流動層燃焼ボイラー、COM、CWM燃焼ボイラー
適用ボイラー形式
水管ボイラー
応用目的
新システム用のボイラー
例示ボイラー
加圧燃焼ボイラー、石炭ガス化と排熱ボイラー
適用ボイラー形式
水管ボイラー
次回は、これら様々な産業用ボイラーの内、固体燃料を燃焼させる代表的な方式となっているいくつかのボイラーの特徴や仕組みについて解説します。
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