三菱重工パワーインダストリー POWER of Solution

interview

勇気をもって一歩を踏み出した先に見える世界。プラント建設現場で活躍する女性SV(Super Visor)渡邊美奈インタビュー

2023/8/9

三菱重工パワーインダストリーにはさまざまな角度からお客様に関わるスペシャリスト達がいます。お客様の期待を超える働きをして満足して頂く。その強い意志を胸に日々奮闘するメンバー達へ、仕事にかける想いについてインタビューするシリーズ企画。第八回はプラント建設現場の第一線で働く渡邊SV。なぜ男性ばかりのプラント建設現場で働きたいと思ったのか。そこにはあの日の経験とプラントへの熱い想いがありました。今、現場で業務に従事し想うこと。女性ならではの可愛らしい一面もたくさん見せてくれた終始笑顔に溢れたインタビューです。

3.11を経ても変わらなかった想い

――お仕事内容を教えてください。

 渡邊:現在は栃木県足利市のバイオマス発電所の建設現場で補機の副担当として仕事をしています。製品の納期を調整したり、付属装置やプラント機器を据付したり。入社してから2現地目で、しかも最初から現場に携わるのは初めてなので、まだまだ分からないことばかりで周囲の皆さんに助けられてばかりです。

――プラント建設の現場に女性がいるというのは珍しいかなと思うのですが、いつ頃からプラント現場で働きたいと思うようになったのですか?

渡邊:私は福島出身で発電所は身近な存在でした。東日本大震災のあの日、私は中学校の卒業式でした。3.11以降、発電所に対する人々の見方は180度変わったと思います。ですが私はまったく変わらなかった。発電所はなくてはならない、人の役に立つ素晴らしい存在であると信じ続けていました。なので、実際に自分の目で現場を見て確かめたいと思ったんです。

――そうだったのですね…では進路も変更されたのですか?

渡邊:もともと手に職を付けたくて高専に進学が決まっていました。当初は機械科を希望していたのですが、色々考えて電気科に進みました。高専時代に実際に自分の手を動かして何かをつくり上げるのが楽しくて、自分はものづくりが好きなんだなって知ることができました。卒業時はタイミングが悪くて発電所を受けることができず、別の業種に就職することになったのですが、夢だった仕事をあきらめることができず、転職活動を始めた時に出会ったのが三菱重工パワーインダストリーでした。

チーム一丸となって“ゼロ”から“つくる”

――なぜそこまで現場にこだわられたのでしょうか?

渡邊:最初の就職先でキャリアプランについて会社へプレゼンテーションを行う時に、ものづくりの拠点である、工場での勤務を希望していました。その時、上司からよく「なんで工場にいきたいのか」と聞かれていました。ですが聞かれてもなんで工場で働きたいと思うのかを自分で言語化することができなくて、これはまずいと思ってある本を読んだんです。そうしたらその中で、「動詞にすると自分の想いが分かる」というようなことが書かれていて。私の「ものづくりが好き」という言葉を動詞化すると「“ゼロからものがつくられる過程を楽しみながらつくる“ことが好き」だという事に気がついたんです。物を売ったり、図面を描いたり見たりするのではなく、ゼロからつくる。それも一人ではなく、チームでつくり上げることが好きだという事が分かりました。そこからはもう迷いがなかったです。

――転職の時に、若い女性が現場を希望していることに面接した方は驚かれたのではないですか?

渡邊:「本当に?」と言う感じでした(笑)それでも未経験の私を受け入れてくださって本当に感謝しています。最初に派遣されてOJTを受けたのは福島のプラントでした。見るものすべてが新鮮でただただ楽しかったです。そして今、2現地目でどんどん責任の重さと緊張感が高まっています(笑)見えなかったものが見えるようになってきたからこそ不安になったり困惑したりするんですよね。それでも先輩方に助けられながら、勉強している毎日です。建設現場って毎日見える風景が変わるんです。どんどん建築物ができ上がっていくのですから当然なのですが、私はルーティーンワークよりも 、毎日新しいことを経験していたい。そんな自分にとって本当に最高の仕事だと思っています。

休日は趣味のバイクで買い物やツーリングを楽しむ

――仕事をしていて辛いなあと感じることはどんな時ですか?

渡邊:寒さ、暑さは本当にしんどいです!でもそれも先輩方に解消方法や対策アイテムを教えていただいて、なんとか頑張っています。

――外で働く皆さんは気象に本当に左右されますよね。肉体的な事ではなく精神的に辛いことはありますか?

渡邊:協力会社の皆さんに聞かれたことに答えられなかったりした時には「悔しい!」という想いで落ち込んだりします。

――そんな時にはどうやってモチベーションを上げているのでしょうか?

渡邊:友人に話を聞いてもらって、トコトン泣いて解消します!

――大事ですね。趣味はバイクだと聞きました。

渡邊:昔から憧れていて、ようやく去年免許を取りました。250㏄のバイクに乗っています。今住んでいる所は車がないと不便な場所なのですが、バイクがあるのでお休みの日は気ままにツーリングをしたり買い物をしたりしています。実用的に気分転換もできていてとってもいいです。

プラント建設の未来のために。現場は三菱重工パワーインダストリーが変えていく

――仕事をしていて嬉しかったことや喜びを教えてください。

渡邊:毎日できないことができるようになり、現場でなければ分からなかった、据付業務について知れるようになるのがとにかく楽しいです。日々新しい発見があり、点と点だったものが線になる。本当に感動します。足利に来た当初は持てなかった道具や資材が持てるようになったんですよ!体力もめちゃくちゃつきました(笑)

――建設現場は「きつい・きたない・きけん」と3K等と言われることもありましたが、そのあたりはどうでしょうか?

渡邊:私は重たいものを持たなければいけない、というシチュエーションはほぼないです。安全対策もしっかりとされていて、危険な作業が起こらないようになっています。それを管理するのが私の仕事でもあります。きたない、に関してはコロナの影響もあるかもしれませんが清潔でクリーンな現場づくりが徹底されています。それにいまはICTやJIT等、人材不足などを踏まえたプラント建設の未来へ向けた取り組みが進んでいます。昔のように「頼れるおやじ」がいなくなっている今、三菱重工パワーインダストリーはプラント建設の未来のために様々な革新的な取り組みを始めているんです。なので、かつて言われていた3Kのような現場は三菱重工パワーインダストリーにはないのではないでしょうか。

たくさんの新しい発見とやりがいが待ってる!

――将来こんな風になっていたい、という夢はありますか?

渡邊:所長をはじめとして先輩方のようになりたいです!クライアントや協力会社の皆さんに本当に頼られていて私も信頼され頼られる存在になりたいと憧れます。そして、ずっと現場で仕事をし続けたいと思っています。あと、プライベートでは海外旅行に行きたいです。韓国とかタイとか行って美味しいものをたくさんたべてエステなんかもしたいです(笑)

――最後にプラント建設現場で働きたいと思っている、特に女性や体力的に自信のない皆さんへのメッセージがあれば教えてください。

渡邊:男性社会だから馴染むのが大変なんじゃないか、とか不安はたくさんあると思います。私自身、最初はどうしたらいいのかと戸惑うことはありました。でもそれはお互い様なんですよね。男性側も女性をどう扱っていいか分からない。しかし結局それはどんな仕事でも同じなのではないかと思います。それを解消するのは個々のコミュニケーションでしかないのではないでしょうか。先輩方から、私がいることで空気が和んでいると言われたりするととても嬉しいです。そういう“女性だから担えること”も大切にしたいと思っています。「不安だから止める」のはモッタイナイと思います。躊躇する気持ちを飛び越えた先には、たくさんの新しい発見とやりがいが待っている。それに“女性だから”“力がないから”無理、ということはもうありません。勇気ある一歩を踏み出したらきっと、その人にしか見えない新しい世界が待っていると思います。

プロフィール

建設総括部 工事計画部 計画課 工事チーム
関内勤務 渡邊美奈

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