
あしかがエコパワー発電所運開 ~三菱重工パワーインダストリー技報Vol.9より
三菱重工パワーインダストリーの7MWシリーズの10基目となるバイオマス発電設備が「あしかがエコパワー発電所」に納入され運転を開始いたしました。そこで技報Vol.9(2025年発行)に掲載された建設及び設備概要についてご紹介します。
あしかがエコパワー発電所は丘の斜面を切り拓いた、狭隘地に位置し、工事が難しい場所にあります。片面は斜面でもう一方は高速道路の側道、そして近隣住宅地に囲まれており、都市型バイオマス発電所の特徴を有していました。そこでコンパクトで効率良く、不燃物抜出性を考慮した散気管タイプ流動層ボイラーを「ちょうど良いタイミングで、製品を現地に届ける」SAL(Smart Assortment & Logistics) 工法で完成させました。
今回、設計した散気管タイプ流動層ボイラーの特徴は以下です。
○炉底部の構造
ホッパ構造の採用:燃焼中に発生する不燃物を炉底に集め、容易に取り出すことができる構造になっています。
○空気供給の工夫
散気管の配置:ボイラーの底面に、空気を均一に吹き出すための散気管が設置されています。
層中管:層中管で熱回収することにより流動層の温度を管理すると共にコンパクトで効率の良いボイラーを実現します。
○ボイラー内部の構造
燃焼制御:高度な燃焼制御により炉内のクリンカが付きにくい構造とし、安定した発電を実現します。
空気予熱器:空気予熱器の耐食性を向上すると共にボイラー効率を上昇します。
標準的な7MW シリーズ設備配置では約60m×40mの広さが必要ですが、燃料ヤード、ボイラー設備、発電設備、事務所をすべて全幅40m弱に設置しなければいけなかったため、特別な工法であるSAL(Smart Assortment & Logistics)を採用し完成させました。
SAL工法の詳細は技報Vol.8(2023年発行)に詳細が掲載されていますが、Just-In工法をDXで一段進化させたもので都市型バイオマス発電所建設には特に有効です。
三菱重工パワーインダストリーのバイオマス発電を知り尽くす技術者が2025年2月19日(水)~21日(金)に開催される「第10回 [国際] バイオマス展」で講演を行うことが決まりました。バイオマス発電について検討されている皆様は、ぜひご参加いただければと思います。
今回のあしかがエコパワー発電所運開について詳細をお知りになりたい方は以下から技報Vol.9をダウンロードしてご確認ください。また、バイオマス展にご来場いただけない方もバイオマス発電にご興味のある皆様は、ぜひお気軽にお問い合せください 。
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