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【GX経済移行債とは?】企業の脱炭素支援を加速

2024/3/28

政府は2050年カーボンニュートラル社会の実現へ向けて2024年2月に初めて個別銘柄「GX経済移行債(クライメート・トランジション利付国債)」を発行しました。今回は、企業の脱炭素への取り組みを支援・加速するであろうGX経済移行債について、どんな債権でどのような仕組みなのかをご紹介します。

GX経済移行債とは?いつから発行される?

国は国際的な公約と世界における産業競争力の強化および経済成長の実現のためには令和5年度以降の10年間で150兆円を超える官民のGX(※)投資が必要であるとして、この実現に向け「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律(GX推進法)」に基づき20 兆円規模の「脱炭素成長型経済構造移行債」(GX経済移行債)を2024年2月に発行しました。国際標準の準拠について評価機関から認証(セカンド・パーティ・オピニオン)を取得した個別銘柄「クライメート・トランジション利付国債」です。

※GX(グリーントランスフォーメーション)…温室効果ガスを排出する化石燃料ではなく再生可能エネルギー等、クリーンなエネルギーへの変革を行うことです。

GX経済移行債の仕組み

成長志向型カーボンプライシング構想の具体化

【出典…財務省 日本の財政を考える>17 グリーン・トランスフォーメーション】

民間のGX投資を促進するために政府がGX経済移行債を発行し調達した資金で民間の投資を支援する仕組みです。図のような成長志向型カーボンプライシングによって将来的に得られるのであろう財源で償還される見込みです。

GX経済移行債の設計 

GX経済移行債の設計は以下のようになっています。

・カーボンプライシング導入の結果として得られる将来の財源を裏付けとし、20兆円規模のGX経済移行債を令和6年以降10年間に渡り、毎年、国会の議決を得た金額の範囲内で発行します。

・これまでの国債(建設国債、特例国債、復興債等)と同じように、同一の金融商品として統合して発行することに限らず、国際標準への準拠について評価機関から認証(SPO)を取得した 「クライメート・トランジション・ボンド」を個別銘柄として発行します。

・GX経済移行債により調達した資金はエネルギー対策別会計で区分して経理を行います。カーボンニュートラル達成目標年度である2050年度までに終える設計になっています。

・令和6年度のエネルギー対策特別会計予算での具体的金額は、GX経済移行債発行金額は6,633億円で、これがエネルギー需給勘定と電源開発促進勘定のGX分に充てられます。

(参考)令和6年度エネルギー対策特別会計予算の全体像

【出典…財務省 (参考)令和6年度エネルギー対策特別会計予算の全体像】

カーボンプライシングとは?

カーボンプライシングとは企業等が排出するCO₂に価格をつけ税金等として徴収することで脱炭素を促進する仕組みです。「炭素税」や「排出量取引」等がそれにあたります。CO₂を排出する企業などに負荷をかけることにより行動を変化させる政策手法です。

カーボンプライシングの分類

カーボンプライシングの分類【出典…経済産業省 資源エネルギー庁】

カーボンプライシングには上記のような分類があり、政府主導のもの以外にも企業が自社のCO₂排出を抑えるために独自の価格付けを行い投資判断等に活用する「インターナル(企業内)・カーボンプライシング」等の方法もあります。

国が20兆円を確保し企業の新たな取り組みを後押しする

今後10年間の官民投資額全体と政府支援額のイメージは以下の通りです。

【出典】内閣官房(GX経済移行債発行に関する 関係府省連絡会議(第1回)資料【参考】規制・支援一体型促進策の政府支援イメージ)

【出典】内閣官房(GX経済移行債発行に関する 関係府省連絡会議(第1回)資料
【参考】規制・支援一体型促進策の政府支援イメージ)

今後10年間の官民投資額全体を150兆円超えにすると定め、事業リスクや環境に応じて適切な規制や支援を一体的に措置し、産業競争力の強化や経済成長、排出削減すべての実現に貢献する民間投資を引き出すと構想しています。世界中でGX投資競争が起こる中、日本は諸外国の投資支援の動向や実績を踏まえつつ、十分な規模と期間の政府支援を行うとしています。GX経済移行債による20兆円の支援は今後の具体的な動向を踏まえ必要に応じて見直しを行う予定です。

GX経済移行債のエネルギー分野における支援見込み額

GX経済移行債のエネルギー分野における支援見込み額は以下の通りです。

GX経済移行債による投資促進策(案)

【出典…財務省 GX経済移行債による投資促進策(案)】

令和6年度以降の支援見込み額の内、エネルギー分野の水素等は5年で4,600億円、次世代再生可能エネルギーが5年で4,200億円となっています。更に水素等への支援額の総額は供給開始から15年間で3兆円規模になる見込みです。

2050年カーボンニュートラル社会へ向けた私たちの取り組み

GX経済移行債が発行され、国を挙げてカーボンニュートラル社会へ向けてグリーントランスフォーメーションを促進する勢いがいよいよ加速して参りました。三菱重工パワーインダストリーはカーボンニュートラル社会の実現を担う企業として、これまで木質系バイオマス発電や地熱発電等の自然エネルギーの利活用への取り組みに加え、水素活用促進につながる産業ボイラー用水素焚きバーナーを開発しました。脱炭素社会へ向けた取り組みをご検討中ならば、ぜひ三菱重工パワーインダストリーにお問合せください 。お客様に寄り添った製品とサービスをご提供させていただきます。

参考)                                                           

財務省
https://www.mof.go.jp/jgbs/topics/JapanClimateTransitionBonds/index.html
https://www.mof.go.jp/zaisei/subject/subject-02.html
https://www.mof.go.jp/policy/budget/budger_workflow/budget/fy2024/seifuan2024/09.pdf

令和5年 6月9 日 内閣官房GX実行推進室長決定資料
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/gx_jikkou_kaigi/ikousai/dai1/siryou1.pdf

経済産業省 資源エネルギー庁
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/carbon_pricing.html

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