三菱重工パワーインダストリー POWER of Solution

interview

教えて!スペシャリスト Vol.3 ~プロジェクトの成功を左右する重要な生産管理部門~

2023/12/25

長年プラントに関わり様々な知見を持つ三菱重工パワーインダストリーのスペシャリストがプラントにまつわるあらゆることに回答する「教えて!スペシャリスト」シリーズ。今回はちょっと指向を変えて、プラントエンジニアリングにおいて重要な生産管理について生産管理部の部長職に就く松永に聞きました。この部門の働きがあるから三菱重工パワーインダストリーのプラントエンジニアリングは揺るぎないものになると言っても過言ではない、その実態をお届けします。

プロジェクトの全体スケジュールを左右する重要セクション

――三菱重工パワーインダストリーの生産管理部の業務内容について教えてください。

松永:生産管理部は、横浜関内及び広島呉にそれぞれ生産企画課及び生産技術課の二つの課を有しています。拠点は異なりますが、それぞれの課が実施している業務が異なる訳ではありません。パートナーを含む総勢24名がチームワークをもって勤務しています。大きく分けて業務は以下の三つです。

1、 プロジェクト全体の現地製品納期管理業務

2、 ものづくりの生産技術管理業務

3、 輸送管理業務

新設案件では設計の図面出図や調達の発注、製作側のリードタイムを考慮し、現地据付工程に応じて製品の納期コントロールを行います。初期に設定した要求納期が諸事象により変動することはあります。ホールドポイントを確認しながら調整していきます。

ものづくりの生産技術管理では海外で生産する海外調達製品のスケジュール管理をはじめ、製品品質に問題がないか等、工場で働く人々のマネジメントを含め行います。さらに海外で調達する製品に関しては輸送管理業務を行っています。海外の港から日本の港に到着しても全ての製品を纏めて現地に納入する事はありません。

現地据付工程を加味し納期管理者と情報を横通ししながら無駄なコストを発生させる事なくタイムリーに製品を納める工夫をしています。その為には日本到着港での一時保管をおこなっているケースも多くあります。

最大限の業務効率化、付加価値のある工程短縮

――プロジェクトの成功を左右する重要なセクションであるということが良くわかりました。業務の中で特に注意していることはありますか?

松永:高い技術力および知識がないとボイラーを製作委託する事はできません。ボイラー製作メーカーは国内外共に限られたメーカーとなりますが、我々のボイラーの要求仕様をきちんと理解してもらう必要があります。

そこで「品質不適合」を絶対に発生させないように我々が直接、工場に赴いて製作ノウハウの指導等も行います。

さらに設計部門の前工程と建設部門の後工程との繋ぎ役も担います。つまり設計部門で設計された図面を確認し、精度や品質を見極め据付工事で問題が発生しないかアンテナを張り巡らしながら管理するよう最善の注意を払います。

設計側の要求や建設側の要求など多岐に渡るために両部門の仕様を考慮し最善の方法を決める事もあります。

――生産管理部にいらっしゃる皆さんは図面が読めるという事でしょうか?

松永:多くのメンバーは実際に工場で“ものづくり”を経験してきた人材なので、図面を読むことができます。現場で“ものづくり”を経験してきたからこそ分かる知見を最大限活かして皆、業務にあたっています。

――三菱重工パワーインダストリーでは産業用プラントとバイオマスプラント等の発電所の建設を行っていますが、この二つは生産管理として異なる点があるのでしょうか?

松永:産業用プラントとバイオマスプラント等の発電所で我々の業務自体は大きく変わりません。

産業用プラントは完全標準的仕様というものが少なくお客様のニーズにあわせて多種多様なプラントに対して生産管理を行わなければいけません。その為、より「事前検討」が重要となり、多くの視点で物事を見極めなければいけません。一方、バイオマスプラントは標準化傾向になるため最大限の業務効率化、付加価値のある工程短縮や、後工程の効率化を実現する事を意識しながら行っています。

多くの経験を積んだプロフェッショナル集団

――海外調達では、お国柄の違いで戸惑う事などもあるのでしょうか?

松永:私たちは、主にフィリピンと台湾、中国に製作拠点を持っています。それぞれ長年、三菱重工グループとしてお付き合いがあり、実績もあります。仕事は人と人で行うものですから、人間関係の構築、信頼ある人間関係が絶対的に大切になります。まずは相手を尊重し、思いやり、相手の立場に立って考えながら相互理解を深める。これが基本であると考えています。それを踏まえた上でコミュニケーションを取れば大きな問題が起こることはないと信じています。

また、万が一問題が発生した場合でも短時間で解決に導く事ができます。

一般的にはプロジェクトが決まったらキックオフミーティングやプレインスペックションミーティングを行うために工場に赴き、その後も製品納入までの間には3~4回程度、訪問し製品管理を行います。何かトラブルが起きたらすぐに工場に出張する体制も整えています。

――最後にプラント設置を検討している皆様へメッセージをお願いします。

松永:三菱重工パワーインダストリーの生産管理部は多くの経験を積んだプロフェッショナル集団です。“ものづくり”のDNAを脈々と受け継ぎ、その時々の時代の流れや環境に適合しながら、安心安全な製品をお客様へお届けするために精進し続けています。「確実な製品」「満足いただける製品」をお届けできると自負しています。工程管理も一気通貫で行っておりますので、タイムリーに満足のいく製品をお届けします。さらに海外輸送や国内輸送業にも高いノウハウがございますので、こちらもご相談があればぜひご用命いただければと思います 

プロフィール

三菱重工パワーインダストリー(株)
サプライマネジメント総括部 生産管理部 部長
松永 顕道

三菱重工業(株)に入社後、一貫して産業用ボイラー製作工場に勤務し 生産管理業務、生産技術業務に従事。
2019年に三菱重工パワーインダストリー(株)に転籍

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