三菱重工パワーインダストリー POWER of Solution

ソーダ回収ボイラー

読み仮名:ソーダカイシュウボイラー

ソーダ回収ボイラーは、パルプの製造過程(木材チップを薬液で煮て繊維を取り出すクラフト法)で発生する黒液(リグニンや使用済み薬品、有機物を含む廃液)を燃焼し、その熱エネルギーで蒸気を発生させ、燃焼後に残る無機成分(主に炭酸ナトリウムと硫化ナトリウム)を溶融無機物(スメルト)として回収するために用いられます。
回収したスメルトは水に溶解して「緑液」となり、さらに石灰を加えて苛性化することで、蒸解に使う薬品(苛性ソーダ=水酸化ナトリウムや硫化ナトリウム)に再生されます。こうした薬品の再生と循環利用の工程を「ソーダ回収」と呼びます。ソーダ回収ボイラーは、このプロセスの中核設備であり、製紙工場のエネルギー効率を高めるとともに、化学薬品の再生利用と廃棄物の削減を可能とするものです。

出典

紙パルプ技術協会/三菱重工業株式会社『ソーダ回収ボイラーの変遷』
https://www.japantappi.org/wp-content/uploads/2021/04/25_PaperindustryTechnicalarchivesPreservation_33-1.pdf(平成22年10月5日)

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