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ウェビナーの中でいただいたご質問について回答を順次掲載しております。
皆さまの疑問解決の一助となりましたら幸いでございます。

【2023年2月27日開催ウェビナー】
産業ボイラ用水素焚きガスバーナの開発

質問一覧
技術

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  • 1(現状進捗と今後の展望)水素燃焼機器(ボイラー等)の欧州との実用化行程の差はありますか。
    何年勝っているとか負けている等、あるいは方向性に差がありますか。

    水素濃度100%までの燃料を用いたボイラは、国内では10年以上前に既に実用化されています。水素は、発熱量が低く配管径やバーナサイズが大型化する、NOxが高い等の課題がありましたが、弊社の研究・開発によってこれらの課題への対策も目途がついており、欧州に比較して、日本の方が技術的に先行していると言えます。しかしながら水素を燃料として積極的に利用する環境が整っていないという現状があると考えています。

  • 2(現状進捗と今後の展望)水素焚きボイラー技術の現状進捗と今後の展望を教えてください。

    技術 - 1に記載の通りこれまでも水素を含有する燃料ガスをボイラーで用いています。弊社は今回、水素燃焼における課題を解決する技術を開発しました。脱炭素化の流れの中でボイラーでの大規模利用ニーズが今後も高まると考えられ、この水素燃焼技術を実機適用していく段階となっています。

  • 3(開発スケジュール)開発スケジュール、商用化時期について、教えてください。

    ボイラー用バーナの開発試験は完了済で、実機適用に向けた計画が可能な状況です。2023年度に実機適用に向けた設計検証を推進予定です。

  • 4(既存ボイラへの適用(その他設備含む)))既存重油焚きボイラや微粉炭焚きボイラへの設備改造による燃料転換の可能性でしょうか。

    既設重油焚きボイラや微粉炭焚きボイラへの設備改造による燃料転換(水素混焼/水素専焼化)が可能です。お客様ご要望の燃料やボイラ運用方法をお聞きし、その要望に適した改造計画を立案致します。

  • 5(既存ボイラへの適用(その他設備含む)))微粉炭焚きボイラの助燃バーナー部にこの水素バーナー設置は可能でしょうか。

    微粉炭焚きとの混焼実証試験も実施しており、助燃バーナー部に水素バーナーを設置すること可能です。

  • 6(既存ボイラへの適用(その他設備含む)))既存ボイラーへの適用可能でしょうか。

    既設ボイラーへの適用は、既設燃料と水素との混焼化及び水素専焼化、定格容量増減を含めて対応可能です。

  • 7(既存ボイラへの適用(その他設備含む)))どれくらいの出力を対応できるバーナーになるのでしょうか。

    微粉焚きへの水素バーナの導入、油焚きへの水素バーナの導入はどちらも同等の費用・納期での対応を想定しています。お客様の運用計画に応じたバーナを導入いただけるよう、計画致します。バーナ容量については蒸発量ベースでバーナ1台当たり、1~50t/hレベルです。設置要件に応じて容量・設置台数を検討して計画を立てます。

  • 8(既存ボイラへの適用(その他設備含む)))どのような型式・容量のガス焚きバーナーに適用できるのか教えてください。

    噴流燃焼用ボイラにはセンターファイアリング型とマルチスパッド型、旋回燃焼用ボイラには矩形型が適用可能です。バーナ容量は蒸発量ベースでバーナ1台当たり、1~50t/hレベルです。設置要件に応じて容量・設置台数を検討して計画を立てます。

  • 9(既存ボイラへの適用(その他設備含む)))既存設備への組み込みに際して、部分取替や従来燃料との併用に関する制限を教えてください。

    既存設備の仕様や改造後の使い方によって最適な改造方針を計画するものであり、画一的な制限はありません。

  • 10(既存ボイラへの適用(その他設備含む)))水素焚きバーナに至るまでの設備投資イメージがあれば教えてください。
    例えば、C重油→LNG→水素 等とステップを踏む必要があるかどうか。

    水素供給元弁から後流側の改造内容は、例えば一般的なLNG焚き改造と設備投資イメージは同等です。
    中間にLNGのステップを踏まなくても、C重油→水素の改造は可能です。

  • 11(既存ボイラへの適用(その他設備含む)))①C重油のバーナー6本で8kℓ/hに相当する水素バーナーを導入する場合に、受入れタンクを含めた設備の規模感(設置面積や必要な保有空地、費用、工期)を教えてください。
    ②また、適用される法律や必要な資格についても教えてください。

    ①-1 C重油バーナ6本を燃焼するボイラの蒸発量を200t/hと仮定しますと、水素専焼時に約50,000Nm³/hの水素が必要となります。水素供給設備を考慮しなければ、費用及び工期はC重油から一般ガスに燃料転換する場合の費用及び工期と同等と考えます。
    ①-2 ボイラ敷地内に受け入れタンクを設置し、外部から水素を購入する場合、イニシャルコスト及びランニングコスト共に莫大となり、現時点では推奨できません。
    ①-3 水素のインフラがある程度整備された後、近隣の水素供給基地からパイプラインで水素を供給するのが理想的な供給方法と考えます。
    ②-1 圧力が高い水素を取り扱う場合には高圧ガス保安法が適用されることとなります。

  • 12(既存ボイラへの適用(その他設備含む)))導入にあたっての設備規模、見込み、計画を教えてください。

    弊社が取り扱うボイラの規模としましては、蒸発量~300t/hのレンジがメインです。しかしながら、燃焼技術はどの規模のボイラに向けても導入が可能です。

  • 13(既存ボイラへの適用(その他設備含む)))必要な付帯設備について教えてください。

    水素焚きボイラの基本構成は一般のガス焚きボイラと同様の構成です。なお、水素の供給設備に関しては、供給方法によって異なります。将来的には近隣の水素供給基地からのパイプラインによる供給がベストと考えています。

  • 14(既存ボイラへの適用(その他設備含む)))運転制御方法について教えてください。

    一般のガス焚きボイラの運用制御方法と基本的には同じです。なお、水素は低空気比条件下でも燃焼性が良いことを活用して、二段燃焼による低NOx運用や、低空気過剰率による動力低減運用に対応可能です。

  • 15(既存ボイラへの適用(その他設備含む)))ガス燃料変更(LNG→水素)の際、バーナー・レトロフィットの可否について教えてください。

    LNGに比較して水素の方が発熱量が低く、同入熱を導入するためには、水素の供給量を増やす必要があります。この場合、水素の供給圧力を高圧化すれば、既設ガス配管及び既設バーナ本体を流用可能となります。バーナノズルなど、小規模で部分的な改造での対応が可能となります。

  • 16(既存ボイラへの適用(その他設備含む)))燃焼方式のドライ方式とウェット方式では、効率的にどの位の差があるか教えてください。

    水素は燃焼温度が高くNOxが高いため、NOx低減対策として、ウェット方式で火炎に水又は蒸気を噴射する方法があります。この場合、水または蒸気由来の水蒸気の持ち出し潜熱の影響で、ボイラ効率は低下しますが、その低下は投入量によります。
    一方、ドライ方式の低NOx手法として、燃焼用空気を分割供給する二段燃焼などがあります。

  • 17(既存ボイラへの適用(その他設備含む)))メンテナンスの必要性について教えてください。

    一般的なバーナのメンテナンスと大きく変わるところはありません。定期的な点検と損耗部の補修・交換が必要となります。特に高温となるバーナ燃焼部品の点検は燃焼性を維持するためにも重要な位置付けです。

※いただいたご質問の内、事業及び技術上の機微事項にあたるものについては、どのような質問があったかも含め、記載を差し控えておりますのでご理解賜りますようお願い申し上げます。 なお、具体的な事業構想・案件をお持ちの上でのご質問の場合には、お問い合わせフォームから個別にお問い合わせいただきますようお願い申し上げます。

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